出会い ゾビラックス軟膏 E!チャット管理人 X-ふぁいる  吸血鬼な話【14】
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吸血鬼な話【14】

 そんな『吸血鬼カーミラ』を読んで、
「俺もこんな吸血鬼小説を書いてみたい! ( ̄へ ̄)」
と思ったおっさんが、ブラム・ストーカー(Bram Stoker:本名はエイブラハム(Abraham)・ストーカー)だったわけです。


↓ 『吸血鬼カーミラ』を読んで、自分もこんな吸血鬼小説を書いてみたいと思ったブラム(エイブラハム)・ストーカー。
Dublin Street Art - Abraham Stroker
Dublin Street Art - Abraham Stroker / infomatique


 とはいえブラムが、あの『吸血鬼ドラキュラ(原題:Dracula)』を書くのは、『吸血鬼カーミラ』が出版されてから、20年以上後の話になります。
 ブラムが『吸血鬼カーミラ』を読んだのは、彼が地元アイルランドのイギリス政庁に就職しつつも、演劇ヲタが高じて地方新聞に演劇のコラムを連載を始め、役人と物書きの〝二束のワラジ〟を履いていた頃です。


↓ ブラムは熱狂的な演劇ヲタで、劇場に通い詰めていた。そして地元新聞社に
「何で演劇評論のページがないんだ?ヽ(`Д´)ノ」
と投書したところ、新聞社から
「では、アナタが書いてください ( ´∀`)b」
と言われて演劇書評を連載する事になり、それがブラムのライターデビューになった(画像はイメージ)。
Fifth Ave. Theatre interior, Seattle, Washington
Fifth Ave. Theatre interior, Seattle, Washington / UW Digital Collections


 ブラムが『吸血鬼カーミラ』にインスパイアされて、すぐに吸血鬼小説を書き始めたとしたら、大した作品は書けなかったでしょうし、まだまだライターとして駆け出しだったブラムは発表の機会すら与えられなかったかもしれません。
 その後ブラムは、怪奇小説をペニードレッドフル(前述した安価で買える小説雑誌)で発表したりして作家としての実績を積む一方、演劇ヲタとして入れ込んでいた俳優ヘンリー・アーヴィング(Henry Irving)が座長を勤める劇団のマネージャーになりました。

 このヘンリー・アーヴィングというおっさん、シェイクスピア俳優として評判が高く、イギリス王室からナイトの称号を与えられるほどの名優なのですが、人格は前述したバイロンに負けず劣らずの我侭野郎だったのです。


↓ ヘンリー・アーヴィング。ブラムはヘンリーが駆け出しの脇役時代から注目しており、その頃から親交があった。それが縁でブラムはヘンリーの劇団マネージャーになり、地元アイルランドを離れてロンドンに渡った。
Henry Irving
画像参照-Wikipedia(英語版)-『Henry Irving』

 ただブラムとヘンリーの仲は、ポリドリとバイロンのように決定的な対立をしたわけでもなく、ビジネスパートナーとして何とか付き合っていたようですが、真夜中でも平気でブラムを呼び出して、あれこれ命令するヘンリーの傲慢さに、ブラムは相当ムカついていた時期もあり、そんなタカビージコチューなヘンリーの性格は、
〝ドラキュラ伯爵の性格に反映している ( ̄▽ ̄;)〟
という説もあります。


↓ ヘンリーの役者としての才能は愛すべきモノであったが、アーティストにありがちな我侭な性格にブラムは振り回され、その傲慢なキャラはドラキュラ伯爵に投影されていると言われている。この辺りはポリドリとバイロンの関係に似ていて面白いが、ブラムとヘンリーとの関係はファンとスター俳優、そしてビジネスパートナーとして結構長続きした(画像はイメージ)。
Dracula Has Risen From The Grave
Dracula Has Risen From The Grave / tohoscope


 ただ、ヘンリー・アーヴィング劇団のマネージャーという立場だったお陰でブラムの人脈は広がり、公演の打ち上げで行ったパーティで、ブラムはハンガリーのブタペスト大学で東洋言語学を教えているアルミニウス・ヴァンベリー(Ármin Vámbéry )教授と出会いました。

 このヴァンベリーというおっさんは、言語学だけに詳しいのではなく、東欧地方の歴史に関しても造詣が深く、15世紀のルーマニア地方に、
〝ドラキュラ公〟
と呼ばれる暴君が居たという話をブラムに聞かせます。


↓ アルミニウス・ヴァンベリー教授の肖像画。その業界では有名な言語学者で12ヶ国語が書け、16ヶ国語を喋り、20ヶ国語を読めたという、恐るべきマルチリンガルなおっさんである。さらに古代語の起源を求めて中央アジアまで研究旅行に出かけるといったフィールドワークもこなしており、そこで得た知識は語学に留まらず、一般に知られていない東欧やアジアの地方史にも詳しかった。
アルミニウス・ヴァンベリー
画像参照-Wikipedia(イタリア語版)-『Ármin Vámbéry』

 『吸血鬼ドラキュラ』に登場するドラキュラ伯爵のモデルとなったのは、その〝ドラキュラ公〟とか、
〝ヴラド・ツェペシュ(Vlad Tepes)〟
と呼ばれている実在の人物だという事は間違いないのですが、ブラムが小説の中で実際に用いたのは、ドラキュラ(悪魔の子)という名前と、ドラキュラ城のある場所がルーマニアだったという点くらいで、ドラキュラ伯爵のイメージは〝リアル・ドラキュラ候〟とは違ったモノになっているようです。
=続く=

【このネタを初めから読む】

↓ ヴァンパイアヲタなら誰でも知っているワラキア候〝ヴラド・ツェペシュ〟の肖像。今でこそ彼がドラキュラのモデルになった事は有名だが、その事実が日本国内で広く紹介されたのは1970年代になってからで、TVのオカルト特番で「あのドラキュラは実在した! Σ(゚ロ゚;)」というあざとい内容で放映されていた。
Prince Vlad the Impaler
Prince Vlad the Impaler / Daniel R. Blume


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