出会い ゾビラックス軟膏 E!チャット管理人 X-ふぁいる  吸血鬼な話【12】

吸血鬼な話【12】

 この『吸血鬼』は大ヒット小説になり、すぐにフランスやドイツなどのヨーロッパ諸国で訳版が出版され、怪奇小説に〝吸血鬼モノ〟という新しいジャンルを作り出すきっかけになりました。
 『吸血鬼』のストーリーは端折りますが、特筆すべきはこの作品によって、
〝貴族の吸血鬼〟という、現代の吸血鬼をイメージする場合にスタンダードな容姿を持ったキャラが生み出された事でしょう。


↓ ポリドリの『吸血鬼』に登場するヴァンパイアは貴族で、このパターンが後世の吸血鬼作品に大きな影響を与えている(画像はイメージ)。
Vampire King
Vampire King / SoulStealer.co.uk


 『吸血鬼』が発表された19世紀は、14世紀に生まれた印刷技術が発展して、新聞や雑誌といった紙媒体が庶民でも手軽に入手できるようになると同時に、識字率も上がって読み書きが出来る人口も増え、印刷業界はちょうど現在のインターネットのように利用者(本を読める人)増加し、そんな需要の増大に対して、提供するコンテンツを求めていた時代でもありました。

↓ 19世紀は印刷技術の進歩によって、安価な印刷物が大量に発行できるようになる一方、庶民の識字率も高まり〝本を読む事〟は新しい娯楽のひとつになった(画像はイメージ)。
Eight months of Amazon purchases
Eight months of Amazon purchases / pmsyyz


 そんな中、イギリスでは1ペニー(100分の1ポンド)で買える、
〝ペニードレッドフル(Penny dreadfuls:1ペニーの恐怖本)〟
と呼ばれる週刊の怪奇小説雑誌がバカ売れし、その中で連載されてたモノの中で人気があったのが、
『吸血鬼ヴァーニー(原題:Varney the Vampyre, or, The Feast of Blood)』
という吸血鬼小説です。
 この『吸血鬼ヴァーニー』は2年以上連載され、単行本化もされたというヒット小説なのですが、作者の名前は判りません


↓ 『吸血鬼ヴァーニー』の復刻版ペーパーバック(原書)。古典吸血鬼文学で有名な『吸血鬼ヴァーニー』は数種類の復刻版が出版されているが、内容的には支離滅裂で設定は目茶目茶な作品で、古典的な価値以外は評価できるモノではない(らしい)。ちなみにこの作品も訳書は見つからなかった。
Varney the Vampire: The Feast of Blood

 というのも当時は〝著作権〟というモノはなく、作者が作品に作者名を明記して権利を主張する習慣もありませんでしたし、出版社も作者から作品を買い上げるだけで、以後人気が出て単行本化した所で、再び作者に原稿料を支払い必要はなかったからです。

 また、『吸血鬼ヴァーニー』は前述しように〝ペニードレッドフル〟と呼ばれる
〝三流読み捨て雑誌 ┐('~` )┌〟
に掲載されていた作品で、複数のライターによって執筆されていた形跡があり、特定の作家を特定する事が出来ないようです。


↓ 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のDVD。この作品に登場する〝スウィーニー・トッド〟を考え出した作家はトーマス・プレスト(Thomas Prest)といって、無名時代に『吸血鬼ヴァーニー』を執筆した作者だと言われている。他にもジェームズ・マルコム・ライマー〈James Malcolm Rymer〉とか、『吸血鬼ヴァーニー』の作者は複数の名前が挙げられており、ホントの作者はハッキリしないが、複数の作者によって交互に執筆されていたらしい。
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 [DVD]

 この作品は前に紹介した『コリントの花嫁』や『吸血鬼』のように、人間が吸血鬼に出会う物語ではなく、〝ヴァーニーという吸血鬼〟がひたすら暴れまわるという、吸血鬼自身が主人公になっている物語になります。

 ヴァーニーのキャラは、ポリドリの『吸血鬼』に登場したルスヴン卿をさらに下品にした感じですが、騎士の姿をした貴族なんですが、前世はイギリス王の側近だったり、子供を殺害して騎士に殺されたおっさんだったりと、長い連載の中で設定がコロコロ変わりました

 性格的にも一貫性はなく、作者(たち)もこの作品が後年単行本化される事を想像せずに、その場限りの面白さを追及したようです。


↓ ヴァーニーのキャラ設定は、全編を通してみると辻褄が合わない設定が結構ある。まぁ、その場を盛り上げる為だけに前の設定をコロコロ変えるのは〝読み捨て文学〟では有りがちな話(画像はイメージ)。
Vampire ideas
Vampire ideas / Goosemouse


 そんなヴァーニーの吸血鬼的な特徴と言えば、
・太陽光線が苦手
・死んでも甦る

という点になります。

 この頃の詩や小説に描かれていた吸血鬼は、真っ昼間に陽光の下を堂々と歩いているヤツも結構いて、現在我々が持っている
〝吸血鬼は太陽光線が苦手 ('A`)〟
という設定が知れ渡ったのは、このヴァーニーからかもしれません。
=続く=

【このネタを初めから読む】

↓ ヴァンパイアが太陽の光を苦手とするという設定が、文学の世界で一般的になったのは『吸血鬼ヴァーニー』からかもしれない(画像はイメージ)。
vampire sighting : san francisco
vampire sighting : san francisco / torbakhopper


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