出会い ゾビラックス軟膏 E!チャット管理人 X-ふぁいる  吸血鬼な話【11】

吸血鬼な話【11】

 バイロンというおっさんは、貴族階級の詩人でしたが(ってか、当時詩人も含めた芸術世界で、名を馳せるよう様な高等教育を受けられた人間は、殆どが貴族階級出身)、私生活はアーティストに有りがちな放蕩三昧のやりたい放題でした。

↓ バイロン詩集。〝バイロン〟という名前は日本でも名前くらいは知っている人は多い。生まれつきの貴族で芸術家だが、アーティストという人種でありがちな〝作品は素晴らしいが、人格は最悪〟という我侭タイプの見本みたいな人物だった。
対訳 バイロン詩集―イギリス詩人選〈8〉 (岩波文庫)

 不倫、近親相姦、果ては同性愛疑惑まで、およそ〝下ネタスキャンダル〟と言われるほとんどのネタを引き起こし、ついにブチ切れた嫁はんアナベラから離婚を要求されたバイロンは、地元イギリスには居られなくなり、スイスのレマン湖湖畔にある別荘を借りて、そこへ逃亡しました

 そんなバイロンの主治医として同伴したのがジョン・ポリドリでだったのですが、一説よればこのポリドリもバイロンの〝愛人〟だったと言われています。
 バイロンの借りた別荘は、その所有者の名前から
〝ディオダティ荘(Villa Diodati)…_φ(・・ )b〟
と呼ばれていましたが、バイロンが滞在中に当時の文壇を代表する作家や詩人たちが訪れていました。


↓ スイス・レマン湖のほとりにあるディオダティ荘。あらゆる下ネタスキャンダルを巻き起こして追及され、本国(イギリス)に居られなくなったバイロンは、この別荘に逃げ込んだ。
Villa Diodati Overlooking Geneva
Villa Diodati Overlooking Geneva / cometstarmoon


 その時集った作家達はドイツで書かれた怪奇小説のネタで盛り上がり、
「こんな身の毛もよだつような怖い小説を皆で、一作ずつ書いてみよう (*´ω`)b」
という提案がされたそうです。

 当時文壇界で活躍していた作家達が集ったこの会合は、後に〝ディオダティ荘の怪奇談義〟と呼ばれ、ヨーロッパ文学を語る上で、一つの大きな事件でした。
 というのも、この会合に参加した作家の中にメアリー・シェリー(Mary Shelley)が居て、彼女は提案通りに
『フランケンシュタイン~現代のプロメテウス~』
という後世に残る怪奇小説を書き上げたからです。


↓ メアリー・シェリー(Mary Shelley)の肖像画。彼女は〝ディオダティ荘の怪奇談義〟をきっかけに『フランケンシュタイン~現代のプロメテウス~』という小説を書き上げた。科学的な手法によって死体を甦らせるという設定で、この作品は恐怖小説であると同時に〝世界初のSF小説〟という称号も得ている。
メアリー・シェリー
画像参照-Wikipedia-『メアリー・シェリー』
↓ 1970年代くらいまでは、ヴァンパイアと同じくらい人気があったフランケンシュタイン。ただ、正確に言えばフランケンシュタインというのは、このモンスターを生み出した科学者の名前であり、この怪物は〝フランケンシュタインズ・モンスター(フランケンシュタインが生み出した怪物)〟と呼ぶ。
フランケンシュタイン レガシーBOX [DVD]

 そして〝ディオダティ荘の怪奇談義〟が生み出したのはフランケンシュタインの怪物だけでなく、後の吸血小説の雛形とも言える作品も生み出します。

 当時バイロンは吸血鬼を題材にした小説を書いてみたものの、アイディアに行き詰まってしまい、途中で投げ出していました。

 その断章した小説のプロットをディオダティ荘に集まった人々に話したわけですが、同席していたポリドリはバイロンに対して、自分の知っているスラブ系吸血の話を聞かせたとも言われています。


↓ バイロンには、途中まで書いたところでアイディアに詰まり断章してしまったヴァンパイア小説があり、それをポリドリを含むディオダティ荘に集まった人々に聞かせた(画像はイメージ)。
[Draft of a speech concerning the murder of Sir Edmund Berry Godfrey and the Popish Plot]
[Draft of a speech concerning the murder of Sir Edmund Berry Godfrey and the Popish Plot] / Beinecke Flickr Laboratory


 しかし数ヵ月後、痴話喧嘩でもしたのか、もともと人格に問題のあるバイロンの主治医を永く勤めるのは不可能なのか、ポリドリとバイロンは大喧嘩した後に決別しました。

 ポリドリは余程頭にきていたらしく、恥知らずで傲慢なバイロンの性格を投影した
〝ルスヴン卿〟
という吸血鬼キャラを作り上げ、ディオダティ荘でバイロンから聞いた小説のアイディアを発展させて、前述した小説『吸血鬼(原題:The Vampyre: A Tale )』を書き上げたわけです。


↓ 『吸血鬼(原題:The Vampyre: A Tale )』の原書。現在でもAmazonで購入可能(訳書は見つからなかった)。
The Vampyre; A Tale

 ポリドリの書いた『吸血鬼』は「ニューマンスリーマガジン」という雑誌に掲載され、大人気になりました。
 しかし当初この作品は
〝バイロンの作品 Σ(゜o゜ノ)ノ〟
という形で発表されてしまったそうです。

 バイロンと大喧嘩して決別したポリドリが、今更バイロンに対して気を使ったとは考えられませんので、雑誌の編集者ネームバリューのあるバイロンの名前を独断で使ったのか単なる手違いなのか、その辺の事情はよくわかりません。
=続く=

【このネタを初めから読む】

↓ ポリドリが書き上げた『吸血鬼』は最初月刊誌に掲載されたが、その時にどういう手違いがあったのか、作者はバイロンだと思われてしまった(画像はイメージ)。
Monstar magazine

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